思い出の韓国人・・

その韓国人が良い人だったのか、悪い人だったのか?


多分・・普通に出会っていたならば・・普通の人だったのだと
    おもいます。


多分・・出会いがあまりにも強烈だったので、
    私の中で、消化できていないだけなのだと思います。


30年程前のことです。


その人は私が所属していた地区に教会長夫人
”祝福を受けて、お嫁さん”として
韓国からやってきました。


私よりも10歳は若く、祝福の双も私の方が上でした。


その人とは縁があったのか・・それからひと月もしないうちに
その人が所属する教会の台所で、偶然一緒になりました。
その人と私の二人きりでした。


その人はまだ日本に慣れていないようだったので、
私の方から声をかけました。


「初めまして、〇〇教会から来ました。〇〇です。
 韓国からお嫁さんに来たと聞いています。
 よろしくお願いします」


「はい」・・(その人は少し、訝しげな反応でした)


「韓国語、お上手なんですね」


「ええ、日本に来る前に3カ月ほど日本語学校に行きましたので」


「そうなんですか。
 さすが韓国人ですね。
 日本に来るためにそのように準備されてから来られているのですね。
 日本人はそこまで気を使わないので申し訳ないです。
 ありがとうございます」


(その人の顔が少し、明るくなりました。気持ちが通じたようでした)


「日本に来られて、ご不便なこととか、お困りのことは
 ありませんか?
 あと、日本人に言っておきたいこととかありましたら
 教えていただけませんか?」


(少しの間があって。その人は少し険しい顔になりました)


「日本人は 朝鮮王朝 を滅ぼした」


(さっきまでにこやかな会話だったのに・・
 いきなりその人は私を睨みつけてきました。


 そして私の方は・・
 全く予期していない話題だったので、上手く言葉がみつかりませんでした。


 それで仕方なく以前から疑問に思っていたことを、
 話してみました)


「あの・・日本人が滅ぼしたのであれば・・
 子孫が残っていると思うので・・
 日本人は敵に対しても一族滅亡とかしないので


 なので、戦後もう一度子孫を立てて
 王朝を復興させ・・るということは
 しないのでしょうか?」


(私がそう言うと・・その人の顔は、さらに一変しました。
 口元はゆがみ、燃えるような目で私を
 睨みつけ、すっくと椅子から立ち、
 私を睨みつけたままその状態のまま、部屋から出ていきました)


台所に取り残された私は、急転直下の
できごとにあっけにとられていました。
会ってから数分の出来事でした。
彼女は言葉にはしていませんが、
全身で私をせめていました。


 私に謝罪しろ!
 土下座して謝れ!
 許しを請え!


・・???


私には今思い出しても理解ができません。
韓国って儒教の国だと聞いています。
私の方が年上。
祝福の双も私の方が上。


で、どうしてあのような態度がとれるのか。


なにより私の心を重くしたのは・・
この人が日本語を学んだのは・・もしかして
日本人に謝罪の言葉を言わせたかったから?
そう思ってしまったことでした。
しかもこの人は、ゆくゆくは教会長夫人となって日本人シックを指導していく方・・
悲しいことだけど・・これが現実。
そう思ったからです。