「アベルの立場で僕の身体」・・って 無理!

「世の中で これは楽・これは一度やったらやめられない そんな職業とは?」
と、問われたら・・私は「統一教会のアベルです」と答えたい。


   統一教会のアベル とは 韓国風に言えば・・「両班になったこと」。
   一度そこでの組織のトップに立てばカインと言う僕が存在し・・
   後は・・上げ膳据え膳状態。
   例えば・・食事の為に食堂に行けば、席に着くと同時に全ての料理が目の前に
   並べられ、食べ終わるころには熱いお茶が出てきて食器の片付けもやってくれる。
   そこで小話でも始めると全員が話を聞いてくれ、頷いてくれ、賛同してくれ、
   ありがたがってくれる。
   しかも何かでミスを犯した場合でもカインが
  「アベルは悪くありません。私の責任です。私が悪いのです」と
   アベルのミスはなかったことになる。


他に私の出会ったアベル武勇伝
 ・私が食当をしていたときのこと・・(食当の合間に自主的に前線に出かけていました)
  自主的に行っていたのでノルマはありませんが実績は出していました。
  するとアベルが私の実績を自分の実績として上に報告していました。
  アベルに 「私の実績は・・私の実績として報告をお願いできないですか」
  と言うと
   「アレ・・ おかしなことをいう人だねぇ。
    カインはアベルの為に存在しているってみ言葉知らないのかなぁ」


 ・アメリカにいたときのこと・・
  事務机の中に マニキュア を見つけ・・周りを見ると
  アメリカ人で使っている人がいたので
  (さすがアメリカ・・これぐらいは自由なんだ!
   日本人でつけている人はいないけど・・
   まぁ・・小指ぐらいは・・いいかな・・試しに・・)
  とつけていると・・日本人アベルから「君は分別されてない」と
  コンコンとお説教。
  (アメリカ人には言わない(言えない)けど日本人には言えるようでした)
  そして・・その数日後そのアベルが興奮して数人の人と話していたので
  その輪に入ってみると・・
  ストリッパーを見てきた話をしていました。
   「いやぁ~ これも経験だよね。一度は見ないとねぇ。
    良いか悪いかの判断ができないからねぇ。
    女性の胸って色々な形があるんだねぇ。
    初めて知ったよ。あれは芸術だよ。芸術作品だよ。
    自分は芸術鑑賞に行ってきたんだ」


まぁ・・一度アベルになると・・すべてが許される。
それが統一教会のアベル。でしょうか。


・・それを思うと
私が出会った店長は・・まぁ・・超人的であり、
なによりも 自分に厳しい人 でした。
自分の事は自分でするし、電話もとるし、
訪問者も自分から対応していました。近くにいた場合ですが。
 (普通のアベルは近くにいてもしません。面倒なことは全てカイン任せでした)
そして自分で車も運転し、人の送迎さえもしていました。
 (普通のアベルは車の運転などしません。カインにやらせます。
  運転手付きの重役さんをしています)


そう・・み言葉で「父母の心情僕の身体」と言っても実践する人は正直・・
出会ったことがありませんでした。


なので私達カインは、み言葉どおりに・・「自然屈服」していました。
強制ではなく・・本当に、自然に、屈服せざるを得ませんでした。


ですが・・
まぁ・・その人に出会って・・私が理解したことは・・
   普通の人にとっては・・
   「アベルの立場で僕の身体」・・って 無理。
でした。
一人で二役やっているようなものですから・・
多分・・それを可能にしていたのはそのひとの肉体が丈夫なことと、
何より 物事に対する 判断力・決断力・行動力 に迷いがなかったことでしょうか。
自分に絶対的な自信があると言いましょうか。
その自信さえも・・超人的だったような・・
自分(アベル)は 神と共にある という絶対的な信仰があったような人でした。


それに、何事にも良い面もあれば悪い面もありで、
弊害だと思えたこともありました。
  展示会でのことです。
  店長が顧客としてあがってきたゲストファイルをみながら
  何人かをピックアップして「この人たちは大丈夫」と言うと
  すぐに祈禱室に大きな張り紙で
  名前、問題点、目標額が書かれ、全員で祈祷し、
  勝利の為に、水行・断食・祈祷・み言葉の訓読が各自でたてられました。


  そして・・展示会が始まり・・店長がアップした人には
  展示会専属の人が付き・・
  必ず何かしらの勝利が得られていきました。


  そのような中で、もし相手が霊界を信じなくて納得してないとなると
  「こ芝居」もしました。
  トーカーの先生が「今、あなたの水子霊がこの人に入りました」と言うと、
  補佐役でついていた人がその場でぱったりと倒れ、
  ゆっくりと起き上がると赤子のような動きでゲストの膝に
  はいあがり「お・か・あ・さ・ん」というのである。
  その場は阿鼻叫喚の地獄絵図となり・・
  大概の人はこれで授かっていきました。


  それでもダメな場合は・・
  展示会後にしつこく再訪します。もし、相手が「もう、こないでください」
  というと「あなたの事が、心配なのです」と、決して引き下がらない。
  店長が大丈夫と言ったのだからそれは絶対なのである。
  そして・・数日後には店長に「店長、あの方、授かりました。」
  (店長のみ言葉が成就しました)と言う報告がされるのでした。


そのような光景は・・
まるで 「光あれ」 と言われたら光があったという 神 のような世界でした。


なので・・店舗としての実績は常にトップクラスで
大会などに行くと必ず表彰されていました。成績優秀者として。


ですが・・
そこはみ言葉「父母の心情で僕の身体」「アベル・カインの一体化で神が働く」が
成就した世界ではありましたが・・
(地獄ではありませんでしたが・・天国でもなかったように思いました)
み言葉による 理想の世界 が成就しているのはずでしたが・・
私にはそのようには見えませんでした。