「アベル・カイン問題」 の 勝利者に起こった悲劇

昔の私は・・
   今も・・? かな・・?
何処へ行っても「アベル・カイン問題」で葛藤する問題児でした。


ですが・・一度だけ・・戦うことのなかった アベル に出会ったことが
あります。


霊感商法真っ只中の ある店舗 でのことです。


そこでの店長(その組織のトップ)は完璧なアベルでした。
  私はそこで初めて、「アベルでありながら、僕の体」を
  実践している人に遭遇したのでした。


私が驚いたことの数々・・
   *誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝る。
   *暑くても寒くても常にスーツ(さながら軍服)姿でいる。
   *食事は自分でご飯も味噌汁もよそい、
    食べた後の食器も自分で洗い場まで持っていく。
     (私たちが準備しようとすると・・「そんなことをする時間があれば
                      前線に行け」と、一喝。)
   *昼食も自分で用意する。
   *雑用係は置かず、雑用のほとんどを自らが行う。
最初は不思議に思っていました。
雑用まで引き受けることに、?・・何故 雑用係を置かないのか・・と。
ですが・・しばらくして、店長は 費用対効果 からそのように判断している
のだと分かりました。


例えば・・
館の網戸が壊れていた場合・・普通の所では
雑用を引き受ける総務係がいて、その人に丸投げします。
ですが店長の場合は
まず、自分で見て
それが修理に5分~10分以上かかりそうだ・・と、判断すれば
即「業者に電話して」と指示をだし (費用は気にしていない)ようでした。
そして直りそうであれば・・「誰か出来る?」と聞き
たいていは・・店長代理・・と言われているNO-2の人が
「俺、やっておきます」と言って・・修理が終わります。


そして文具類などの買い物を頼んだ場合、
普通の総務だと、最初に近くの雑貨店に行き、次に大きめの店舗に行き
最後に専門店へ行く・・と時間がかかるのですが
これが店長だと最初から 専門店へ行く のでした。
多分・・探し回る時間が勿体ないと 値段よりも時間と人材の
有効性を優先していました。
  つまり 総務 という人材を割くよりも 「全員を前線に行かせて実績を上げる」
  ことを優先させているようでした。
なのでそこでは全員が前線に出かけていました。
  食当までも前線に出かけていました。
  もちろん食当は戦力外なので ノルマ もありませんし実績追及も
  ありませんでした。食当みずからが時間のあるときに前線に行っていました。
  確か・・月3~4件?の実績はあったように思います。


そして・・
アベル(店長)にも驚いたのですが・・
そこにいるカイン(班長)にも驚きました。


そこでのわたしは前線部隊の一員で、私の上には班長(アベル)がおりましたが、
店長が (俺様・アベル) でないように、
班長も (私・アベル)ではありませんでした。


班長は5名ほどいたのですが、
威張る人もいなく、競うように実績に責任を持とうとしていました。
(アベルとしてカイン ”班員” の実績も責任を持つ。
 そのような雰囲気が伝わってきていました)
例えば私の実績が芳しくなくても・・店長からも班長からも
実績追及されている実感はありませんでした。
班長は私にただ、
「何か悩んでいることはない?」
と、訊ね、
「いえ、ありません」
「お祈りはしてる? み言葉は読んでる? 一軒一軒心を込めている?」
「ハイ、やっています」
「じゃ、大丈夫ね。
 実績は結果だから。
 私たちが問われているのは、信仰だから。
 信じて、ゆだねて、信仰的に歩みましょう。」
と、だけ言ってくるのでした。


そして・・さらに・・その後も数日実績がでないと・・
マザーと呼ばれている人がそっと近くに来て 「あなたの為に班長さんが条件を
立てているわよ。頑張りなさいね」
とだけ伝えてくるのでした。


  これはストレートに実績追及されるよりも効きました。
  つぎの日の私は・・昼食も返上して必死で歩んでいました。


なのでそこでは
アベル・カイン問題はありませんでした。
誰もが「自然屈服」していました。
私もその一人でした。


  私はそこで初めて、
  (アベル・カイン) のみ言葉の実践者であり、勝利者の姿を見たのでした。
  そして ” 完璧なアベルは完璧なカインを育てることが出来る ”
  ことを実感したのでした。


ですが、その店長には悲劇が待っていたのでした。