私には・・よく・・分からないのですが・・

統一原理を初めて聞いたときは、感動しました。
祝福の教えにも納得しました。
自分の人生を捧げても悔いなし・・と思えました。


献身を決意できたのも・・近い将来に理想世界がくることが
            実感できたからでした。


ですが・・献身後・・すぐに・・
教会の中には違う価値観を持っている人が存在することに気が付きました。


最初に思ったのは
献身者になるための訓練としてマイクロ部隊に参加したときのことでした。
  そこは現代のガレー船と呼ばれるほどの劣悪な環境でした。
  改造したバン(マイクロバス)の中、6人での生活。
  個人の持ち物はカバン一つ。着替えはワンシーズン3~4着分のみ。
  食事は菓子パンに割引シールが張られた総菜だけ。
  (6人に対して4人分ぐらいの量でしたが、疲れと
   車に揺られながらの食事の故なのか食欲はありませんでした)
  風呂は3日に1度。
  少ない睡眠時間。
  顔も手も足も日に焼けて真っ黒。
  髪の毛はボサボサ。
  休憩も休みもなく朝早くから夜遅くまで実績に追い立てられていました。


その女性はある日の夕方ごろ突然やってきました。
私達には「中央から巡回師が来て下さる」と伝えられました。
  こられた人を見て私たちは驚きました。
  私たちと年代の変わらない若い女性でした。
  手入れの行き届いたロングヘアに
  控えめながらもきっちりとした化粧
  上品で高級感のある服装にヒールの靴
  女性らしい華奢な体つきに可愛らしい顔立ち。
  一番驚いたのは・・ほんのりでしたが香水の香りがしたことでした。
まるで・・住む世界が違う・・そのような感じでした。


女性は全ての事に興味津々のようで、じっくりと改造されたマイクロを見、
私たちのことはまるで貧民街の人達を見るように
(動物園の動物を見るように)物珍しげにジロジロと観察していました。


その女性は気が済むまで車の外と中をを見た後で
自分が見ていたのと同じように私たちが女性をジッと見ていることに
気が付きました。
そして少し間があってから・・
私たちが何故見ているのかに気が付いたようで


女性はクスッと笑い(わかってない人達ね)と言うかのように
説明をしてくれました。
自分の服を指さしながら・・
「あぁ、これね。
 これは仕方がないのよ。


  だって私は 教会の看板 なんだから。


 あなた方も困るでしょう。
 例えば・・
 急にご両親が教会に来られた時に
 見すぼらしい恰好の人がいると心配するでしょう。
 そんなときの為に私はこうしていないといけないのよ」


そういった後、彼女は「つまらない人たち」
と言う感じですぐに帰っていきました。


次は献身後しばらくしての事でした。
その日の私たち(2名ほど)は女性ばかりの
教会幹部の方の集まりに接待係として派遣されていました。
集まりは幹部の方の自宅でした。
  そこは・・
  外からは普通のマンションと変わりないように見えていたのですが
  中に入ると・・ワンフロアに2件しかなくそこが他のマンションとは
  違うことがわかりました。
  さらに中に通されると・・玄関は高い天井に5~6名の大人が
  立てるほどの広さがありました。
  そして20畳はあるダイニングには外国製を思わせる
  10人掛けほどの革張りのソファーセットがありました。
  出窓にはレースのカーテンに所狭しと置かれたアンティークの数々・・
  台所には日本の電気店では見たことがないシステムキッチンに
  大きな冷蔵庫がありました。
私たちがスケールの大きさに圧倒されていると
集まった人たちの雑談が聞こえてきました。
「ねぇ、ここ、いくらぐらいなの?」
「60万(40年ぐらい前なので今では100万を超えると思います)
 ぐらいだったみたい。でも人を呼ぶにはちょっとね。
 狭いでしょ。
 だからもう少し広いところを探してもらっているの。
 これからは教会も外の人達とお付き合いしていかないといけないから。
 私たちは教会の恥にならないようにしないとね」
「そうそう、私たちは神様の子なんだからふさわしいところで
 ないとね」
「それに体も大切にしないと。
 私、最近は無農薬の野菜を食べるようにしているの」
そして私達サポーターにも声をかけてくれました。
「あなたたちも体は大切にするのよ。
 特に食べるものには気をつけて選んで食べるのよ」


多分・・その人は実態を知らないだけで・・悪気はないのでしょう。
  私たちの食費が1円でも献金を増やすために
  削られていることを・・確か・・一日の食費は
  一人150円~200円をぐらいだったと思います。


・・・
・・・私にはよくわからなかったですね。
  神様の下・・人類一家族の平等な世界・・
  それを目指している教会なのに・・
  身を粉にしてお金を稼いできていながら・・
  1円のお金も自由にできない立場がある一方で
  費用の全てを教会が支払ってくれる・・そのような人が存在する。
  ということが。


  ですが・・どのような組織も組織を保つためにはそのような方々が
  必要なのだと思います。
  その方々は「これは教会の為なの」そう言っていました。
  なのできっと教会はその方々のお陰で恥をかかない存在に
  なったのだと思います。
  そして子供を心配して訪ねてきた親は安心したのだと思います。